患者さんからの「ありがとう」に喜びを感じる
身体的にも精神的にもハードな看護師は、大変なことや悲しいことに直面する機会も少なくありません。ですが、患者さんが元気になっていく姿をみたときや、「ありがとう」と感謝の言葉を笑顔でいわれたときに、日々のつらさや悲しみを忘れるほどの達成感や看護師として働くやりがい、喜びが得られます。
患者さんに支えられることも多い
看護師の仕事はケガや病気の患者さんを看護し、支えることです。実際に診察するのは医師ですが、患者さんは接する機会が多い看護師に影響を受けやすいものです。ですが、看護師は治療の大変さを目の当たりにし、悲しい場面に直面することも多いため、精神的に追い込まれてしまうこともあります。そのようなときに看護師を支えてくれるのもまた、患者さんなのです。
どういったときに看護師としての喜びを感じ、これまでの苦労が癒されるのか、具体的なエピソードからみていきましょう。
患者さんから元気をもらったAさん
看護学校を卒業し、看護師としての道を歩き出したAさんは、はじめのうちは慣れない仕事に落ち込むことも多かったそうです。先輩やプリセプターがフォローしてくれたり、励ましてくれたりもしましたが、プレッシャーなどの精神的ストレスで「つらい」と思いながら仕事をしていました。
そのようなときに、研修中に担当していた患者さんが再入院してきて病院で再会したのです。長期間入退院を繰り返している方だったので治療の手順も見慣れているらしく、治療中にAさんが戸惑っていると「大丈夫?」と声をかけてくれたり、「先輩の指導は厳しくない?」と様子を気にかけてくれたそうです。忙しさとプレッシャーで心のゆとりがなかったAさんにとって、患者さんからのこういった励ましは何よりも嬉しく、元気の素でもありました。
仕事に前向きに取り組めるようになったBさん
小さい頃から看護師に憧れていたBさんは、看護師の仕事に入職したときは期待で胸がいっぱいだったそうです。ですが、実際に仕事をはじめてみると、失敗ばかりで落ち込んだり、患者さんの命を預かることに責任を感じたりして自信をなくしかけていました。しかし、自分が担当した患者さんに笑顔で「ありがとう」といわれたときに、看護師としての喜びや楽しさを感じ、「もっと患者さんに寄り添える看護師になりたい」と仕事に前向きに取り組めるようになったそうです。
手術が中心の職場で働くCさん
さまざまな疾患の患者さんが入院している病棟で働くCさんは、手術や治療で患者さんが元気になっていく姿を目の当たりにしながら仕事をしています。患者さんの状態や経過に悲しい気持ちやつらい気持ちになることもありますが、元気になって笑顔で退院していく姿や、患者さんからの「ありがとう」という言葉に励まされることも多いそうです。